いしのまきのあさ

きっかけは街のある人の一言

「無くなってしまうと、何十年とこの街に暮らしている私たちでも、

そこに何があったのかわからなくなるの

何も無くなってしまった更地 そこに力強く根付く植物たち

何事もなかったように穏やかな海 その海で生きると決めた漁師たち

取り壊されていく病院 時が止まったままの小学校 どんどん小さくなる瓦礫の山

新しい家 新しい工場

消えゆく景色 そこにあり続ける景色 新しく始まる景色

夜の終わりと一日のはじまり やさしい朝の空気の中

そこに浮かび上がる 石巻の今

10年後 20年後

きっとあの日のこと そこから立ち直った新しい姿には関心が集まるだろう

だけど

その過程で 消えていくもの 生まれていくものを

どこまで記憶しておくことができるだろうか

今を生きるこの街を記録すること そしてそれを伝えることは

これからの未来にとって とても大切なことだとおもう

だから僕は朝に向かって 明るくなっていく 今の石巻を撮り続ける

鈴木 省一

 

 

 

 

 

鈴木省一/Shoichi Suzuki

1977年 神奈川県出身

2000年 文教大学人間科学部卒

(株)松濤スタジオ、渞忠之写真事務所を経て

2006年独立

2011年4月9日ボランティアとして初めて石巻へ その後、ピースボート災害ボランティアセンター専従スタッフとして約3年間様々な活動に従事

2014年1月 写真家として再始動

2013年1月より、朝日が昇る前の時間帯に石巻の風景を撮り続けている。暗い夜の闇が朝日によって青く溶け出す景色の先に『命』を意識しシャッターを切る。 海をこよなく愛し、海の仕事も大好き半漁半カメ。 特技は早起き。