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音の素描 〜いしのまきのあさの為に〜  四倉由公彦 / yukki (Coupie)

『いしのまきのあさ』この単語を知ったのは、東日本大震災から数年が経ってからのことでした。 知人がFacebookで青い写真をシェアしているのを目にしました。「ああ綺麗だな」と、始めはそん な感じに写真が流れていきました。その青い写真を何度も目にするようになり、それらは東日本大 震災のボランティアとして石巻に来て、そのまま移住した漁師で写真家の鈴木省一さんという方が 撮影していることを知りました。 日課のように携帯電話を通して写真を見るようになりました。知っている朝、知らない朝、沢山の 朝の姿がそこに写っていました。2015年の2月に石巻市の雄勝町で写真展が開かれており、プリント アウトされた彼の写真達をそこで初めて見ました。 一面に青い、様々な朝の光が映しだされていた。まるで吸い込まれるような、止まっているようで 確かに息づいている青でした。じんわりと、胸の中にその朝の光が差し込んだような気持ちになり、 日の光が写真の上に割り込んだ時、僕はこれらに音を付けたいと思いました。 自分自身が体験した青いものをどうにか音に出来ないかと、音を出し続けて気がつけば2年が経ち 2017年になりました。彼が撮り続けているあさのように、録り続けている音が少しでも彼の写真へ 寄り添う青になれればと願います。

 

四倉由公彦 / yukki (Coupie) 石巻出身在住の音楽家。

音楽的、または非音楽的な即興演奏を主に、新潟の大地の芸術祭、京都の法然院、鳴子 温泉等の様々な場所で舞踏、コンテンポラリーダンス、絵画、映像など、ジャンルを超 えて積極的にセッション、ライブ活動を重ねている。 「Coupie」、「Jai Machine」などの即興演奏ユニットなどでも活動。 音楽レーベル涼音堂茶舗、Shrine.jpから作品をリリースする。 震災後に石巻雄勝の郷土芸能「雄勝町伊達の黒船太鼓保存会」 の支援活動がきっかにな り、2012年より加入する。